三澤遥がデザイン、大丸松坂屋百貨店がヴィジュアルアイデンティティを一新

大丸松坂屋百貨店が、新たなヴィジュアルアイデンティティ「百様図(ひゃくようず)」の策定を発表した。これをもとに、大丸では35年ぶり、松坂屋では23年ぶりに、ショッピングバッグや包装紙といった包材のデザインを刷新する。新デザインの使用開始は2025年7月30日を予定している。
全国の主要都市に15店舗を展開している大丸松坂屋百貨店。店舗それぞれ独自の個性を持ち、その地域と深くつながることで、そこでしか生めない文化をつくってきた、ある意味バラバラな「本店の無い百貨店」だ。
今回、ヴィジュアルアイデンティティを手がけたのは、日本デザインセンター三澤デザイン研究室主宰の三澤遥さん。今回包材のモチーフに採用した「百様図」は、大丸松坂屋百貨店が大切にする「百様」という価値観を形にしたものだ。

(写真左)株式会社 大丸松坂屋百貨店 ブランディング戦略室長 寺井孝夫さん(写真中)宗森耕二さん/株式会社 大丸松坂屋百貨店 代表取締役社長(写真右)株式会社日本デザインセンター 三澤遥さん
「百様」とは、店舗が受け継いできた歴史や地域性、時代の空気や瞬間の美しさ、そしてお客様への心配りといった、同社が大切にする価値観に加え、お客様一人ひとりの想いが重なり合うことで生まれる、豊かで美しい調和のことを意味している。
百様図のデザインは、紙というありふれた素材に、丸と四角、緑と青(ピーコックグリーンとロイヤルブルー)といった要素を重ねて構成されている。丸と緑は大丸、四角と青は松坂屋のシンボルマークに由来し、両ブランドの歴史をこれからも受け継いでいく意志が込められている。

ショッピングバッグの印刷には「フレキソ印刷」が採用されており、穴が開いているように見えたり、紙が重なっているように見えるなど、視覚的に触感を感じさせるリアルな表現がなされている
三澤さんはショッピングバッグのデザインについて、「兄弟姉妹のようなデザインですが、よく見ると似ているところも違うところもあります。ショッピングバッグは大中小とサイズによって柄の表現が違いますが、下の方の白い線は地平線のようにつながるようにデザインしました」と、話した。
なお、ヴィジュアルアイデンティティを紹介する特設Webサイトも公開されており、デザインはmount inc.が担当した。
■特設サイト
https://www.daimaru-matsuzakaya.com/vi/