神奈川の茅ヶ崎市美術館にて、「『白樺』　日本における西洋美術の導入と広がり」が2025年11月9日まで開催されています。

—以下、公式サイトの紹介文を抜粋—

『白樺』は、武者小路実篤（むしゃこうじさねあつ）や志賀直哉ら学習院同窓を中心に1910（明治43）年から1923（大正12）年まで刊行された雑誌です。彼ら自身の小説や批評を発表する場であると同時に、西洋美術を紹介する新たなメディアとしての役割も担っていました。

明治から大正にかけての日本は西洋から多様な文化や価値観・思想が流入し、印刷技術も飛躍的な発展を遂げた時代であり、多彩な雑誌が次々と生まれました。その中で『白樺』はレンブラント・ファン・レインやジョルジュ・ルオーといった西洋の画家や作品を図版や評論を通して紹介するだけでなく、彼らの芸術表現の背景にある精神性にも焦点を当てた点が大きな特徴と言えるでしょう。

本展では、小説家でありながら美術へも強い関心を抱き自身も絵筆を取っていた実篤と、『白樺』の表紙を多く手掛けた岸田劉生（りゅうせい）にそれぞれ焦点を当て、近代日本における西洋美術受容の一側面を探ります。また、白樺派が主催した西洋美術の展覧会や同時期に生まれた美術雑誌、文芸雑誌なども併せてご紹介いたします。雑誌というメディアによって共有された理念や価値観の広がりを、作品および関連資料を通じて当時の空気とともに感じていただければ幸いです。

【関連イベント】
●ワークショップ1
手製本講座　雑誌『白樺』から知る本づくり
講師：植村愛音（古本と手製本ヨンネ主宰）
日時：9月23日（火・祝）　（1）11:00～13:00（2）14:30～16:30
会場：茅ヶ崎市美術館 2F アトリエ
対象：中学生以上
料金：1,000円
定員：各回16名
※事前申込制、先着順

●ワークショップ2
カード織り体験　自分の手で織るしおり
日時：10月13日（月・祝）　（1）11:00～13:00（2）14:30～16:30
会場：茅ヶ崎市美術館 2F アトリエ
対象：高校生以上
料金：2,000円
定員：各回8名
※事前申込制、先着順

●講演会
『白樺』とその周辺　明治末年の雑誌文化にみる美術の広がり
講師：松本和也（神奈川大学教授）
日時：11月2日（日）　14:00～15:00
会場：茅ヶ崎市美術館 1F エントランスホール
料金：無料
定員：50名
※申込不要、当日先着順

●ギャラリートーク
日時：9月6日（土）、10月26日（日）　各日14:00～（30分程度）
会場：美術館展示室
担当：雲中あみ（本展担当学芸員）
料金：無料（要観覧券）
※事前申込不要